2009年 06月 19日
映画36 「真夏のオリオン」 |
「真夏のオリオン」という映画で原作はこちら
左の「雷撃深度十九・五」池上司が原作で
右の「伊58潜軌帰投せり」は関連の本です(橋本以行さんは当時の艦長)
この映画原作のモデルになった伊58潜水艦は終戦まで生き残った数少ない潜水艦にひとつで
終戦間際の7月30日テニアン島に原爆の部品を運んでそこからフィリピンに向かう途中の
巡洋艦インディアナポリスを魚雷3発を命中させて撃沈しています。
戦記の事実としてインディアナポリスが原爆の部品をテニアンに運び(飛行機で運べるものは飛行機で運び飛行機に乗らない重いものを運んだといわれている)
隠密に行動するために護衛の駆逐艦をつけないで単独航行していた
撃沈された時SOSを発信したがアメリカ軍の救助は来なくて生き残った乗組員は4日間波間をさまよい偶然通りかかった軍の飛行機に発見されて救助された
艦長はその後軍法会議に掛けられて艦と多くの兵隊を死なせたことでこの戦争中唯一有罪にさせられその後自殺しています
しかし最近になってSOSを受信しながら軍が握りつぶしていたことが明らかになってクリントン大統領の時に艦長の名誉は回復されました
こう言った事実を踏まえてなぜインディアナポリスが単独航行だったのか
池上司さんはフィクションを広げていきます
原作ではアメリカ側の登場人物は全て実在に人物で描かれ日本側は全てフィクションになっています
なぜ単独だったのかについては
アメリカはこのとき4発の原爆を持っていて
1発は実験に使い残り3発のうち2発はテニアンに送られ広島と長崎に落とされます
残りの1発はフィリピンにいるマッカーサーが俺にもよこせ言って聞かず
しかしマッカーサーに渡したりしたら何をするか分らないのでできれば渡したくない
でも渡さないと言うとマッカーサーが怒って困ったことになるので
インディアナポリスには単独航行をしてもらって日本の潜水艦に沈めてもらったら
ああ日本の潜水艦にやられちゃったと言ってマッカーサーに原爆を渡さずにすむと言った事が
あったのかなかったのか想像は広がるのです
しかしこの映画にはインディアナポリスは出てきません
原作とはまったく関係ない映画になっています
唯一同じ所があるとすれば潜水艦が舞台になっていると言う所だけです。
潜水艦の乗組員の俳優さんたちはイケメンの人たちがずらりと並び
平和ボケした緊張感のない顔で演技をしています
見ていても潜水艦の中と言う閉鎖された空間と戦争中と言う緊張感が伝わってきませんでした。
原作があると言わずに参考にさせて頂きました位にしてオリジナルな脚本として上映すれば
これはこれとしてまあまあかなーと思うのですが原作と比べてしまうとがっかりです 3点
by ichiichik
| 2009-06-19 18:31
| 映画
|
Comments(7)
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大棟梁
at 2009-06-19 23:02
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もう36ですね。すごーい!
僕なんかマンマミーア観ただけ。
kumeさんは益々知識人になっていきますね。
僕なんかマンマミーア観ただけ。
kumeさんは益々知識人になっていきますね。
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S.SHIN
at 2009-06-20 01:46
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潜水艦の映画といえば「眼下の敵」
米駆逐艦の船長、ロバート・ミッチャムと
ソ連の潜水艦の艦長・クルト・ユリゲンス?
小さい頃観た映画ですがなんかとても印象に残っています。
「Uボート」もよかったなぁ~
米駆逐艦の船長、ロバート・ミッチャムと
ソ連の潜水艦の艦長・クルト・ユリゲンス?
小さい頃観た映画ですがなんかとても印象に残っています。
「Uボート」もよかったなぁ~
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紅ちゃん
at 2009-06-20 11:48
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ichiichik at 2009-06-20 18:18
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ichiichik at 2009-06-20 18:20
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ichiichik at 2009-06-20 18:23
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ノシ
at 2014-07-27 17:21
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「真夏のオリオン」役者さんたちの演技、素晴らしかったですね。狭い上、静寂を要求される潜水艦内での心理劇ともいえました。間のとり方、目の演技。たまたまテレビで上映されたのを観たのですが早速DVDを購入しました。アイドル映画と思っていましたが、劇場で観ておけばよかったです。