2009年 06月 25日
映画39 「劒岳 点の記」 |
映画 剱岳 点の記 です
「点の記」とは三角点を設置してその三角点の位置を測量して書きこむ事です
真っ白な雪渓の上を陸地測量部の一行が1列になって登って行きます
どこかの尾根の上からカメラが望遠レンズのアップで一行を捕らえます
そこからカメラがだんだん引いて行くと人の姿はゴマ粒のようになって
大きな立山連峰と聳え立つ剱岳空を飛んでいく雲が画面いっぱいになります
人間の姿はもう見えません
このシーンを見たときに大自然の前で人間の小ささ
そんな小さな存在でありながら日々目の前のことに一喜一憂してそれで生きているといえるのか
と突きつけられたような思いがしました。
僕も山にはよく登りました
もちろん僕達は登山靴ですし雪の中を歩く時にはゴアテックスのズボンを履いてスパッツを付けて
足が濡れない様にしていましたし
泊まるときは山小屋なのでテントや鍋釜などは持って行きません
日帰りの時は水と弁当に非常食位の物で重いものはカメラくらいでした
それでも山に登るのは大変でした
しかし明治時代の陸地測量部の人たちはただ山に登るだけでなく
三角点にする石の標識ややぐらを組むための丸太や測量機材や食事のための鍋釜も
持って登っていました。
足元は足袋にわらじでしたとても真似のできる事ではありません
この映画の監督(木村大作)さんはこの映画は修行だと言ったそうです
この映画を作った人たちも重い機材を担いで山の上まで運び上げています
役者の人たちは昔のままの足袋にわらじで雪渓を歩いています
今の時代ならCGやヘリからの空撮と言うことも考えられるのでしょうが
この監督は一切そういう事をしていません
明治の測量隊を再現するかのように映画を作っています
別な意味でドキュメンタリー映画の様でもあります
映画の最後の方で難儀を重ねていよいよ剱岳の山頂が見えて来た時に
先頭を歩いていた長次郎が足を止めて芳太郎に対して
「旦那さん頂上はもうすぐそこだここからは旦那さん先に行ってくだされわしは案内人ですから」と道を譲ろうとする
それに対して芳太郎は
「何を言っているんだ僕は長次郎さんあんたを案内人なんて思ったことはない僕達は仲間じゃーないか
あんたの案内がなかったら僕達はここまで来る事はできなかった長次郎さんあんたが先に登ってくれ」
長次郎は芳太郎の目を見つめうつむいてうなずくと歩き始めます
細かい所にまで気配りが行き届いた良い映画でした
田んぼのあぜに腰を下ろしておにぎりを食べるシーンがあったのですが
おにぎりが白米ではありませんでした
長次郎さんの歩き方はちゃんと「なんば」歩きになっていました
監督が言ったのか香川さんがやったのか解りませんが
僕達の歩き方は靴での歩き方になっていますが
わらじの場合は「なんば」でないと良くないはずです
この映画を作った全ての人に敬意を表して 5点
明治時代に立山に三角点を作った先人達にも敬意を表して 5点
剱岳の周りの山に設置された三角点は三等三角点だったのですが
剱岳の三角点は三等用の資材が持ってあがれなかったので四等三角点になってしまいました。
それでも石を持って上がっているのだから驚きです
by ichiichik
| 2009-06-25 18:13
| 映画
|
Comments(12)
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by
エンドウマメ
at 2009-06-25 18:49
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CGでは無く・・・本当に役者さんが厳冬期に山に登っているので
すごい内容の映画ですよね。 衣装の下には、完全防具を着て
行かれているとは思いますが、すごい映画だと思います。
すごい内容の映画ですよね。 衣装の下には、完全防具を着て
行かれているとは思いますが、すごい映画だと思います。
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tagu
at 2009-06-25 20:13
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大棟梁
at 2009-06-25 20:51
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出ました5点!
僕も観てみたい映画です。
僕も観てみたい映画です。
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bubu
at 2009-06-25 21:23
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S.SHIN
at 2009-06-25 21:48
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紅ちゃん
at 2009-06-26 00:05
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ichiichik at 2009-06-26 18:17
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ichiichik at 2009-06-26 18:18
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ichiichik at 2009-06-26 18:19
大棟梁さま
ぜひ見てください
ぜひ見てください
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ichiichik at 2009-06-26 18:24
bubuさま
そうなんです山の頂上で顔のアップを撮っていると言う事は
スタッフの人たちは機材をそこまで運び上げて
カメラを回していると言うことですから
皆さんすごい体力だと思います
一番遠い所は撮影現場まで9時間歩いて行って
撮影をしてまた歩いて帰ってきたといいますからすごいです
そうなんです山の頂上で顔のアップを撮っていると言う事は
スタッフの人たちは機材をそこまで運び上げて
カメラを回していると言うことですから
皆さんすごい体力だと思います
一番遠い所は撮影現場まで9時間歩いて行って
撮影をしてまた歩いて帰ってきたといいますからすごいです
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ichiichik at 2009-06-26 18:27
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ichiichik at 2009-06-26 18:32
紅さま
役者もスタッフもみんなの心意気が
この映画を作り上げたのだと感じました
最後の配役の名前が流れる所が
配役スタッフではなく
「仲間たち」としてこの映画にかかわった人の名前が流れました
こんな所にもぐっと来てしまいました
役者もスタッフもみんなの心意気が
この映画を作り上げたのだと感じました
最後の配役の名前が流れる所が
配役スタッフではなく
「仲間たち」としてこの映画にかかわった人の名前が流れました
こんな所にもぐっと来てしまいました