2011年 02月 05日
映画6 「ウォール・ストリート」 |
オリバーストーン監督の映画です
87年に彼が作った「ウォール街」の続編だと言う事です
「ウォール街」を見た記憶はあるのですがどんな映画だったのか全く覚えていません
この映画は一人の男が刑務所から出所してくるところから始まります
一緒に出所したヤクザのところにはリムジンが出迎えに来ていますが
彼のところには誰も迎えが来ていません
もう一人の主人公は若い投資家のジェイコブです
彼は投資銀行に勤めていて
次世代エネルギーへの投資を進めています
恋人もいて全てうまくいていたのですが
ある日自分の会社の株が大量に売られて
株価は暴落して会社は経営破綻して
父親として慕っていた社長は地下鉄に飛び込んで自殺してしまいます
失業した彼に声をかけてきたのは
強欲で有名な経営者のブレトンで彼の投資会社で働く事になりますが
彼のやり方を見ていて
前に勤めていた会社を経営破綻に追い込んだのは
ブレトンだと解ってきて何とか復讐をしてやろうとします
映画の最初に刑務所から出てきた男は
過ってはカリスマ投資家としてウォール街を支配していた男で
ゴードンと言います
インサイダー取引の罪で8年間の刑務所暮らしをしてきました
今はコメンテーターとしてテレビに出たり
本を書いたりしています
出版記念の講演会で彼は言います
過って「欲は善」だった欲しいものを手に入れるために金を求めた
それがいつしか「欲が正義」になってしまった
金を手に入れるためなら何をしても許される世界になり
サブプライムローンやらレバレッジ等と訳の解らない事になって
この国はおかしなところに行ってしまっている
これからどうしたらよいのか君たちに教えよう
それはこの本の中に書いてある
この本を買って読んでくれ
この「欲が正義」と言う言葉がこの映画のポイントのような感じがします
ジェイコブの恋人はたまたまゴードンの娘ですが
彼女は金のために家庭を顧みなかった父親を憎んでいて
会いたくないと言います
ジェイコブにとってゴードンは憧れのカリスマ投資家で
何とか彼に近付きたいと思います
娘との仲を取り持つからいろいろ教えてくれと言います
ゴードンはジェイコブを部屋に入れて
チューリップの写真を見せて
過ってオランダではこの球根一つで家が1軒立った
今になってみればそんなおかしな事がと思うが
そのときには誰もがおかしいとは思わなかったそれがバブルと言うものだ
ところで俺は娘のためにスイスの銀行に1億ドル預金がある
娘の名義にしてあるが
そのまま解約して娘の口座に振り込むと
当局に見つかって取られてしまうので
解約してある会社に振り込んで洗ってから娘に渡したいと思うので
娘を説得してくれと言われ
恋人を説得してスイスへ出かけ口座を解約してお金をアメリカの会社に振り込みますが
待っていても自分の口座に金が振り込まれてきません
おかしいと思ってゴードンをたずねて行きますが
部屋は空き家になっていて
ゴードンの姿はありません
ゴードンはその金で再び会社を立ち上げ
ウォール街に乗り込んできます
そして強欲なブレトンの会社を経営破綻に追い込んでいきます
この辺りはマフィヤの血で血を洗う争いを見るようです
でもこちらは金で金を洗う争いでしょうか
順風満帆だった頃のブレトンは政府さえも動かすような力を持っていて
何をやっても許されるような存在でしたが
いったん坂道を下り始めると
周りの者がいっせいに離れてしまって
水に落ちた犬を皆で叩きまくるようになってしまいます
この映画の最後の場面が象徴的です
ブレトンが勢いが良かったときには
いつもそばに付いていてブレトンの片腕のようなおじいがいました
グリンスパンを思わせるような風体の爺さんですが
ブレトンが没落した後の最後の場面では
ゴードンと並んでにっこり笑っていました
どこまで行っても「欲は正義」と言う事なのでしょうか
ジェイコブの恋人役の女優さんが若い頃の大竹しのぶさんによく似ていました
テレビなどで時々見るウォール街は
沢山並べたモニターにグラフやら数字やらをいっぱい写して
一度にいくつもの電話と話しているというイメージで
よく判らない世界ですが
この映画でも難しい言葉がいっぱい出てきて良く解らないところがありますが
それでもここで繰り広げられる人間模様は面白いです
又少しだけですが金融と言う世界の裏側を見たような気にさせてくれます 4点
by ichiichik
| 2011-02-05 17:23
| 映画
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