2009年 01月 06日
映画2 「長い散歩」 |
少し前の映画ですがアンコール上映をしていました
監督 奥田英二 主演 緒方 拳
主人公の男(緒方拳)は元校長先生
家庭を顧みず仕事に没頭していたため妻は寂しさを紛らわすため酒におぼれ
アルコール中毒で亡くなる一人娘に「お父さんが殺したようなものだこの人殺し出て行け」
とののしられても返す言葉も無くただうつむいているだけだった
この事は物語が進んでいくうちに解ってくる
その男がある町にやって来て小さなアパートを借りる所から物語が始まる
部屋の中には小さな本棚と段ボール箱が一つ
段ボール箱から妻の位牌を取り出し本棚の上に
本を取り出し本棚に納めていく
1冊の本から写真が1枚家族3人が笑顔で写っている
青い空に白い雲遠くに雪を冠った白い峰
隣の部屋には水商売風の若い母親と背中に天子の羽をつけた女の子
ちらりと垣間見えた部屋の中はごみだらけ
女の子はいつも裸足で薄汚れていて
母親は外出するとき女の子の足元に100円玉を1枚か2枚投げ捨てるようにして出て行く
夜になるとひもの男がやって来て女のあえぎ声が聞こえてくる
またある時には子供をしかりつける声、少女の悲鳴、泣き声、男と女の喧嘩の物音
そんな何ヶ月が過ぎたある夜、女のいない時にひもの男が来てまた少女をいじめ始めた
意を決した男は竹の棒を持って隣に乗り込み
ひもの男を殴りつけて少女を連れて逃げる
男は少女に
青い空を見に行こう綿菓子みたいな雲が浮かんでいて白い大きな鳥が飛んでいるんだよ
と言って老人と少女の不思議な旅が始まる
その頃町では
ひもの男は殴られて怪我をし少女はいなくなって
誘拐事件ではないかと警察が動き出す
事情聴取で刑事が母親に言う
「お前母親だろう自分子供を可愛いとは思わんのか」
母親しらーとして答える
「可愛いとなんか思わないね
私は母親に可愛がられた事もないし優しくされたことも無い
母親が私にした事と同じ事をしているだけさ」
警察の非常線を掻い潜りながら二人に旅は続く
最初はかたくなに心を閉ざしていた少女もだんだん心を開いてくる
男は家族3人で写真を取った所を目指しているのか
目指す目的地近くのロッジでの夜
いつものように二つ布団をひいて少女を寝かせ電気を消す
すると少女が男の布団にもぐりこんで来て男に聞く
「じいじは私の事好きか」
男は答える
「ああ好きだよ大好きだよ」
少女は男の胸に顔をうずめ男は少女を優しく包み込む
山の下では張り込み中の刑事がいて同僚に話しかける
「あいつを見ているとなんか不思議な感じがするんだ
今の世の中にはあいつみたいな男が必要なのかもしれないなあの男自身にも」
次の日二人は目的の場所に
そこにはあの日と同じ青い空と白い雲遠くには白い山々
目的を達成した男は自首をするため町に帰ってくる
駅を降りて駅前広場
男は少女に話しかける
「じいちゃん実はな」と言って後の言葉が出てこない
後は「じいちゃんごめんな」と言って少女の前にひざまずき泣き崩れる
少女は「じいちゃん泣いちゃーだめだ」と言って小さな手で男の肩を包む
通行人が集まってきて駅前交番から若いおまわりさんが歩いてくる
夏のある日刑務所から男が出てくる
道の向こうに少女の姿が見えたような気がしたがもちろん少女はいない
男は一人で歩いていく
その後姿を追いながら映画は終わる
この映画を見て思ったのは
人は誰かを支えることによって相手から支えられているし
また誰かに支えられることによって相手を支えているんだと言うこと
認知症の母親の介護をして母親の生活を支えてきたのだが
母親の生活を支えることで僕は母親に支えられていたのだと言うことを
支える人がいなくなって改めて実感している
この映画多治見や土岐市、瀬戸市、中津川市、春日井市、笠原町、郡上市
なんかでロケをしていて見覚えのある街角やお店が沢山出てきました
緒方拳さんも逝ってしまわれました余計に涙を誘います 5点
by ichiichik
| 2009-01-06 18:15
| 映画
|
Comments(13)
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tagu
at 2009-01-06 20:10
x
DVDで観ました
いい映画でしたね
いい映画でしたね
0
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大棟梁
at 2009-01-06 20:23
x
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S.SHIN
at 2009-01-06 20:30
x
とてもいい映画を一本見たような感じにさせていただき
ありがとうございました。
緒方拳さんとは
昔々イノダコーヒーのカウンターでお隣同士なったことがあります。
ただそれだけのことなのに、その日はとてもいい日でした。
ありがとうございました。
緒方拳さんとは
昔々イノダコーヒーのカウンターでお隣同士なったことがあります。
ただそれだけのことなのに、その日はとてもいい日でした。
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bubu
at 2009-01-06 21:48
x
長い文章でしたね~。
全部読ませてもらいました。
全部読ませてもらいました。
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ムー
at 2009-01-06 23:45
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ネコの親でもしっかり子供の面倒を見てます。
ネコ以下の人間も多くなりましたね。
ネコ以下の人間も多くなりましたね。
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紅ちゃん
at 2009-01-07 12:25
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ichiichik at 2009-01-07 17:00
taguさま
ほんといい映画でした
ほんといい映画でした
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ichiichik at 2009-01-07 17:01
大棟梁さま
DVDで見てください
DVDで見てください
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ichiichik at 2009-01-07 17:04
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ichiichik at 2009-01-07 17:06
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ichiichik at 2009-01-07 17:07
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ichiichik at 2009-01-07 17:11
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OC
at 2009-01-13 10:00
x
初めまして。
縁故もありませんが、webの敷居の低さから暫しお邪魔します。
重ねて、前の記事を掘り返してすみません。
この映画はDVDで観ました。
人間の絆について考えさせられる映画でした。
特に印象に残っているのは、少女さちが緒方拳演ずる初老の男が買ってきた屋台のやきそばを振り払う場面です。
「(私を)置いてかないって言ったじゃん!」と叫んだ少女の視線がDVDの中から私の心にも届きました。
もちろん、さち役の少女と緒方拳の演技の成せる業なのでしょうが、加えてこの場面に刺激される何かが、私の原体験にあったような気がして仕方ありません。
思い込みに過ぎないのかもしれませんが…。
いずれにせよ、こうした記憶の襞に共鳴するところが、映画の面白さでもあると思います。
縁故もありませんが、webの敷居の低さから暫しお邪魔します。
重ねて、前の記事を掘り返してすみません。
この映画はDVDで観ました。
人間の絆について考えさせられる映画でした。
特に印象に残っているのは、少女さちが緒方拳演ずる初老の男が買ってきた屋台のやきそばを振り払う場面です。
「(私を)置いてかないって言ったじゃん!」と叫んだ少女の視線がDVDの中から私の心にも届きました。
もちろん、さち役の少女と緒方拳の演技の成せる業なのでしょうが、加えてこの場面に刺激される何かが、私の原体験にあったような気がして仕方ありません。
思い込みに過ぎないのかもしれませんが…。
いずれにせよ、こうした記憶の襞に共鳴するところが、映画の面白さでもあると思います。