2009年 08月 14日
映画49 「アマルフィ 女神の報酬」 |
フジテレビが開局50周年記念作品としてオールイタリアロケで作った作品です
原作は真保裕一 この映画のために原作を書いて映画化の後で本が出版されたとの事で
原作は読んでいません
真保裕一は好きな作家の一人なので見に行ってきました
物語は
外交官黒田(織田祐二)がイタリアの日本大使館にやって来る所から始ります
娘を連れてイタリア観光に来ていた女(天海祐希)の娘が誘拐され
邦人保護のため着任早々出かけた黒田は
犯人から母親の携帯に掛かってきたイタリア語の通役をしてしまったことから
事件にかかわることになってしまいます
サスペンス映画ですので
これ以上のネタばらしはせずにおきますが
映画以上にサスペンスなのは
この映画のクレジットには脚本家の名前がありません
映画の脚本は作品の根幹を成すもので
良い脚本なくして良い映画なしと言われています
松竹が松本清張の「砂の器」を映画化するとき
山田洋二さんは脚本家橋本忍の助手として毎日橋本さんの所に通って
原稿用紙を広げ鉛筆を削り橋本さんが何か言ったらすぐに書きとめられるように
準備をして待っていたそうですが
毎日橋本さんはじっと考えているだけで時間だけが過ぎて言ったそうです
そして何日もたったある日またいつものように出かけると
橋本さんがうれしそうに「山田君ここだよここ」と言って原作に一本の線を引いて見せてくれたそうです
そこには「こじきの親子が村を出て行った」とあったそうです
そしてあの名作「砂の器」だできたとの事です
原作にはたった一行だけでしたが
橋本さんは文楽の手法を取り入れ
映画の後半半分をこのこじきの親子の旅を描いていますこの親子が人形です
語りは刑事の丹波哲郎です捜査会議で今まで調べてきたことを話し始めます
音楽は作曲家「ハガエイリョウ」が作曲した「交響曲宿命」です
「交響曲宿命」の発表会でオーケストラの演奏が始まり演奏にあわせて
こじきの親子が村を捨て雪の舞う日本海の海岸を旅していきます
警察では刑事の丹波哲郎が「ハガエイリョウ」の生い立ちについて報告を始めます
この3つが同時進行で進んでいきます
原作を読んでから映画を見ましたが脚本の凄さにびっくりしまた泣かされた覚えが有ります
再び「アマルフィ」ですが
フジテレビの発表では脚本は原作者と監督の二人で書いて
お互いに一人で書いたのではないから名前は出さないでほしいとの事なので
あえて脚本家の名前は出していないと言うことですが
この映画は裏ではかなりトラブったのではないかと僕は見ています
何気なく見ているとイタリアの風景がいっぱい出てきて綺麗な映画ですが
細かい所を見ていくと何でそうなるのと言った所がいっぱいあります
この映画はサスペンスですから何でそうなってはいけないのです
何気ないシーンであっても後でなるほどと思わせるように組み立てなければいけません
でもあまりに大雑把なような気がします
原作者としては我慢ができないくらいに現場で脚本が書き換えられたのではないかと推測します
織田祐二があまりにも織田祐二らしい織田祐二を全編熱く熱く暑苦しい位に演じています
織田祐二ファンの方と手軽にイタリア観光気分に浸りたい方にお勧めします 2点
by ichiichik
| 2009-08-14 18:48
| 映画
|
Comments(5)
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by
Ai
at 2009-08-15 02:25
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織田祐二さんというと「腰が悪い人」という「生身の情報」が芝居を越えて
どうしても出てきちゃいます!昔フランスで「脚本、演出家」と「俳優」の
どちらが芝居を引き立てるかレストランで言い争いになり、
突然「俳優」がそこにあったメニューを哀しげに読み出し、
周りの人がやがて涙したとか。このくらいのものなら
観たくなりますね。
どうしても出てきちゃいます!昔フランスで「脚本、演出家」と「俳優」の
どちらが芝居を引き立てるかレストランで言い争いになり、
突然「俳優」がそこにあったメニューを哀しげに読み出し、
周りの人がやがて涙したとか。このくらいのものなら
観たくなりますね。
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by
tagu
at 2009-08-15 17:45
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この映画は多分見ないと思いますが
イタリアは見たいですね
イタリアは見たいですね
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ichiichik at 2009-08-15 17:57
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ichiichik at 2009-08-15 17:58
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紅ちゃん
at 2009-08-15 18:22
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